医療用バネ・スプリングのVA・VE事例
Ⅰ.医療用バネ・スプリングのコストダウン事例
■ 耐食性が求められる環境下でのバネ・スプリングの材質変更
< 鉄系のバネ・スプリング > 高い耐食性が求められるバネ・スプリングの素材には、従来は錆びやすい鉄系の材料に表面処理を施したものが使われることが主流でした。 |
高い耐食性が求められる環境下で使用されるバネ・スプリングの材質は、コストダウンを行う目的で鉄系の材料に表面処理(黒染めが多い)を行っていました。しかし、長期間の使用によりバネ・スプリングに施した表面処理が剥がれ落ち、表面処理の剥がれた箇所からさびが発生し、バネ・スプリングが破損してしまうといったトラブルが起こっていました。
< ステンレスのバネ・スプリング > 材質をステンレスに変更することで、表面処理の工程を削減することが可能になります。 |
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材料を鉄系の材料+黒染めの塗装から、SUS304W1などのステンレス線に変更することによって錆のトラブルを回避することができました。ステンレスに比べ鉄系の方が耐久性は優れていますが、材料径を少し太くすることで解決できます。また、表面処理を行う必要がないので、バネ・スプリングのサイズによってはトータルコストダウンにつながる場合もあります。
腐食性が強い環境下で使用されるバネ・スプリングの場合、従来は鉄系の材料に表面処理を施していました。コスト面と耐久性からこれらがバネ・スプリングの材料に選定される傾向がありましたが、ステンレスに置き換えることでコストダウンが可能な場合があります。バネ・スプリングのサイズが大きいものであれば表面処理費用の方が高くなる場合があります。