医療用バネ・スプリングのVA・VE事例
Ⅰ.医療用バネ・スプリングのコストダウン事例
■ 両端研磨廃止によるバネ・スプリングのコスト低減
< 従来品と同じ研磨指示 > 新規品は研磨が不要にもかかわらず、従来品には両端研磨の施工があったので、新規品でもとりあえず同様の研磨指示とされている場合があります。 |
圧縮コイルバネ・圧縮スプリングを作成する際に、お客様から汎用的な標準図面を支給され、その図面に基づき製作する場合があります。そこで、本来であれば研磨工程が不要な製品であっても、旧製品で研磨工程を行っていたということで研磨工程が盛り込まれている場合があります。この様な場合、不要な研磨工程が求められ、生産リードタイムは長くなりコスト増の原因にもなります。
< 研磨施工の必要性の確認 > 線径が0.6ミリ以下の圧縮コイルバネ・圧縮スプリングの場合は研磨処理が不要な場合が多いです。研磨処理を施さなくても直角度が出る場合には研磨工程を省略します。 |
研磨処理をしなくても直角度の出る圧縮コイルバネ・圧縮スプリングの場合は、研磨工程の削減をすることが可能です。研磨処理の工程が不要になるので、処理に必要なコストの削減、および、研磨処理に必要であったコストの低減ができました。特に、線径が0.6ミリ以下の圧縮コイルバネ・圧縮スプリングの場合には研磨処理が不要な場合が多いので、設計段階からの検討が必要です。
圧縮コイルバネ・圧縮スプリングにおいて、直角度を出したい場合や密着高さを低減したい場合、相手物を傷つけないようにする場合などは研磨処理が有効な場合があります。しかし、3/4巻以上の研磨は端部が薄くなり強度が低下します。医療用などに使用される精密バネ、精密スプリングは線径が細いものが多く、研磨処理の可否を確認する必要があります。