医療用バネ・スプリングのVA・VE事例
Ⅰ.医療用バネ・スプリングのコストダウン事例
■ 高い耐食性が求められるバネ・スプリングの材質変更
< ピアノ線に三価クロメート加工処理を実施 > 高い耐食性が求められる環境下で使用される精密バネや精密スプリングは、従来、ピアノ線に三価クロメート加工処理を行ったものを使用していました。防錆効果は高いものの、表面処理の加工工程が必要になり、コストアップの要因となっていました。 |
自動車や家電などの精密バネや精密スプリングには高い耐食性が要求されます。従来は耐食性を確保するために、ピアノ線に三価クロメート加工処理を施したものを使用していました。精密バネへの表面処理加工の工程が必要になるので、生産リードタイムが長くなり、コストアップの要因のひとつとなっていました。
< 高強度ステンレス鋼線に材料変更 > 高強度ステンレス鋼線は表面処理加工を行わなくても耐食性に優れているため、三価クロメート加工処理を行う必要はありません。精密バネや精密スプリングの材質を高強度ステンレス鋼線に変更することにより、表面処理加工の工程を省略し、コストダウンを行うことが可能になります。 |
高い耐食性が求められる自動車や家電向けの精密バネや精密スプリングの場合、従来はピアノ線に三価クロメート加工処理を行っていたものを、耐食性に優れている高強度ステンレス鋼線に材料変更することが可能です。また、これによってメッキ加工を行う工程を省略することができますので、生産リードタイムの短縮および加工コストダウンを行うことができます。
耐食性に優れた材質へ変更することによって、表面処理の加工工程を省略することが可能になります。バネやスプリングの線径によって適切な材料、表面処理方法、表面処理の有無が変わってきますので、設計段階において材料および表面処理方法について検討することによって、生産リードタイムの短縮、コストダウンを実現することができます。