バネ・スプリングはふだんの生活の中でも広く浸透しており、民生用だけではなく工業用にも使用されています。特に、医療機器などの精密機械・精密装置、自動車の電装部品、内装部品、機構部品や、電子部品に使用されるバネ・スプリングは径がミクロン台のものもあります。
ミクロン台の高い精度を持つバネ・スプリングを精密バネ・精密スプリングと呼びます。精密バネ・精密スプリングの中でも、線径が細いもの、外径が小さいものを極細バネ・極細スプリングや極小バネ・極小スプリングと呼ぶこともあります。
例えば、コンタクトプローブに使用される検査装置用の精密バネ、精密スプリングの場合、髪の毛よりも細い外径を持つことからマイクロスプリングと呼ばれます。当社のマイクロスプリングでは、線径φ0.015mmで外径φ0.08mmの極細バネ・極細スプリングの製作実績もあります。
また、精密バネ・精密スプリングにも形状によって種類があります。コイルバネの中にも圧縮コイルバネ、引張コイルバネ、ねじりコイルバネがあり、板バネにも薄板バネとプレス品があります。これらは使用用途や使用箇所、荷重、材質によって変わります。特に、高い精度が求められる精密バネ・精密スプリングの場合、同じ形状、同じ線径であっても材質が変わると加工精度も強度、耐久性も大きく変わってしまいます。また、コイルバネと板バネでは設置に必要なスペースも異なります。
少しの精度の変化で装置や機器に大きな影響を与えてしまう精密バネ・精密スプリングだからこそ、設計段階での様々な検討が重要となります。