医療用バネ・スプリングのVA・VE事例
Ⅱ.医療用バネ・スプリングの品質向上事例
■ 摺動部の異音発生対策による品質向上
< 異音発生対策前 > ねじりバネ・ねじりスプリング自身の線間接触や、経年により相手物との摺動面が削られ、異音が発生していました。 |
従来のねじりバネ・ねじりスプリングはバネ・スプリング自身の線間接触や、バネ・スプリングと接触する相手物とねじりバネ・ねじりスプリングの摺動によって経年劣化・経年による削れの為、異音が発生していました。特に、接触の相手物がプラスチックの成形品の場合には経年による削れが顕著に発生する場合もありました。
< 異音発生対策後 > ねじりバネ・ねじりスプリングのピッチ間隔の設計変更や、潤滑性を高める処理を行うことによって、異音の発生を抑えることができるようになりました。 |
異音発生対策としてねじりバネ・ねじりスプリングのピッチ間隔をあける(ピッチ巻き)ことによってバネ・スプリング自身の線間接触による異音発生を防ぐことが可能になりました。また、ステンレス材を使用している場合には、乾燥皮膜潤滑剤を施したり、潤滑メッキ処理を施すことによって潤滑性を上げ、経年による摺動面の削れを最小限に抑えることができます。
ねじりバネ・ねじりスプリングに対しての異音対策はさまざまなものがあります。上記で紹介しました対策以外にも、植毛処理があります。これは自動車向けに使用するようなコイル径や線径が大きなバネ・スプリングに用いられる異音対策です。このように、設計段階から異音発生対策を行うことによって、品質向上につなげることが可能になります。