医療用バネ・スプリングのVA・VE事例
Ⅰ.医療用バネ・スプリングのコストダウン事例
■ 長巻コイルの熱処理工程におけるコストダウン
< 一般的な電気炉 > 一般的な電気炉では、内視鏡などの処置具で使用されることの多い2m前後の長巻コイル・長巻バネの熱処理に対応することが難しく、連続式の電気炉にて対応をするしかありませんでした。 |
内視鏡などの医療用処置具に使用される長巻コイル・長巻バネ(2m前後のもの)の熱処理工程においては、一般的な電気炉では長さが足りないために、連続式電気炉に作業員が張り付いて熱処理を行っていました。コストアップの原因となってしまうだけではなく、一度に製品全体に熱をかけることが不可能であるため、品質が不安定になりがちでした。
< 長巻コイル・長巻バネ専用の電気炉 > 内視鏡などの医療用処置具にて使用される長巻コイル・長巻バネ専用の電気炉を使用することによって、高品質なコイル・バネの製造が可能になりました。 |
長巻コイル・長巻バネに特化した電気炉を導入することによって、一度に製品全体へ熱をかけることができるため、品質向上を実現することができました。また、電気炉内へのコイル・バネの搬入・搬出を自動化することによって無人化を実現することもできました。これにより、量産の長巻コイル・長巻バネの生産コストを大幅に削減することが可能になりました。
医療用の処置具は入り組んだ体内の奥まで挿入して使用されることがあるために、2mを超えるようなバネやコイルが必要となる場合があります。特に内視鏡などの医療用処置具の場合には体内で使用されるため、加工処理が難しいとされている長巻のバネ・コイルであっても、しっかりと熱処理を施し、高品質なものでなければなりません。